モラルハラスメントとは何か?
モラルハラスメントとは、セクハラ・パワハラよりも広い概念で、それらを包括したあらゆるモラル(道徳・倫理)のハラスメント(いやがらせ)です。
職場においては、言動や文書などによって、働く人間の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に苦痛を与えること、ということができます。
加害者のこうした行為により、被害者が職場を辞めざるを得ない状況に追い込むようなことがあれば実害のある完全なるモラルハラスメントとなります。
一言で言えば「非常識な言動により人の心を傷つけること」は全てモラルハラスメントとなるのです。
モラルハラスメントへの対策と対処法
モラルハラスメントを引き起こしやすい者の特徴としては下記3点です。
- 社歴が長くて何を言っても・やっても許されると思っている。
- 役職・職権が高く何を言っても・やっても許されると思っている。
- 人の気持ちを考えることができない。
1番も2番も集約すれば3番に尽きます。相手の立場に立って物事を考えることができないために全ては引き起こされていると言って良いでしょう。いずれにせよ、モラハラは被害者である貴方一人で解決することは困難ですから、まずは上司に相談するようにしましょう(上司からモラハラを受けている場合には上司の上司。)。
しかしながら、これで解決するのは、モラハラの加害者が下記に該5つ以上該当しない場合です。5つ以上該当するということになると、加害者は立派な精神的欠陥のある人物です。解釈の仕方によっては精神病とも言えます。下記はモラルハラスメントの加害者になりやすい、自己愛性人格障害の特徴をまとめたものです。
- 自己の重要性に関する誇大な感覚(例:業績やオ能を誇張する、十分な業績がないにもかかわらず優れていると認められることを期待する)。
- 限りない成功、権力、才気、美しき、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている。
- 自分が特別であり、独特であり、他の特別なまたは地位の高い人達に(または施設で)しか理解されない、または関係があるべきだ、と信じている。
- 過剰な賞賛を求める。
- 特権意識つまり、特別有利な取り計らい、または自分の期待に自動的に従うことを理由なく期待する。
- 対人関係で相手を不当に利用する、つまり、自分自身の目的を達成するために他人を利用する。
- 共感の欠如:他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしない。
- しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込む。
- 尊大で傲慢な行勤 または態度。
この手の人にモラハラを訴えても、中心は自分にありますから、「俺がされて嫌ではないことを嫌というのはお前の方がおかしいんじゃないか?」という常人には理解しがたい論法になります。
なぜ自己愛になってしまうのかと言えば、これは社会人になってからというよりも幼少期に起因すると言われています。加害者自身が幼少期にモラハラの被害者であった場合や、もしくは溺愛崇拝され、制限がなかったタイプのケースがあります。
加害者が上記に5つ以上当てはまると思う場合には、自分なりに自己愛性人格障害についてきちんと勉強した上で、客観的な資料を持参してしかるべき方に相談するようにしましょう。自己愛の人というのは鬱病な訳でもありませんから、一般的には普通に生活しています。こうした第三者の客観的な資料などがないと相談される方も中々本気では取り合ってくれないでしょう。